2022年4月24日日曜日

塩賣文太物語上 その31

 


裏表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

【書き込み】

満多かしハ奈らの

またがしはならの


都 この八重佐゛くら

みやこのやえざ くら


今日 見天あ春ハ

きょうみてあすは


来つとお可へし

きっとおかえし


(大意)

又貸しはしてはいけませんよ

今日読んでしまって

明日はきっとお返しくださいな


(補足)

百人一首61番 「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に 匂ひぬるかな」伊勢大輔。

これを下地にして裏表紙に貸本屋の主人が詠んだものでしょう。「奈良の都の八重桜」と「けふ」をうまくはさみこんでいます。

 正直に言いますと、なかなかすべてを判読できませんでした。あっちを調べ、こっちを調べと完読できたのは昨日夕方でした。うれしかったです。

百人一首にひっかけて、やんわりとお願いするなんてオシャレですねぇ。


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