2022年4月21日木曜日

塩賣文太物語上 その28

P18 国立国会図書館蔵

(読み)

一 とせあ起

ひととせあき


人 と奈りて

びととなりて


ひ多ちへ

ひたちへ


く多゛り

くだ り


奈ふ

なう


助 八 と申  ハ

すけはちともうすは


まことハ

まことは


ありすの

ありすの


中  志やう

ちゅうじょう


との也

どのなり


よ尓

よに



奈ひ

ない


文 太ふうふ

ぶんたふうふ


御めし有

おめしあり


あり可゛多う

ありが とう


ぞんじまする

ぞんじまする


文 太尓

ぶんたに


御本うび

ごほうび


あま多奈本る

あまたなおる


(大意)

一年間商人となって常陸国へ下っていた

助八と申すものは実は

有栖の中将殿なのでした。

世に知られることない文太夫婦を

呼び出しました。


ありがとう存じまする

文太はご褒美を

たくさん賜りました。


(補足)

出だし「一とせあ起人と奈りて」は「一年後、人となって」とも読めますが、それでは意味があとに続きません。

「まことハ」、「こと」は合字になってます。「より」の合字のフォント「ゟ」はあるのですが。

「よ尓出奈ひ」で読みはあっているとおもうのですけど。

「あま多奈本る」、「奈本る」が違うかもしれません。「本」としましたが、ウ~ン・・・

 

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