2022年4月2日土曜日

塩賣文太物語上 その9

P5前半 国立国会図書館蔵

(読み)

をし鳥 ハもろ

おしどりはもろ


こし尓可ん者くといふものあつて

こしにかんはくというものあって


そのふうふ

そのふうふ


ミ可と尓ころされ

みかどにころされ


そ能れいこん

そのれいこん


二羽の鳥 と

にわのとりと


奈りて

なりて


をし鳥 と

おしどりと


申  いろうつまを

もうしいろうつまを


志多う鳥 で

したうとりで


ござります

ござります


(大意)

おし鳥は唐土

に関白というものがあって

その夫婦は

帝に殺されました。

その霊魂が

二羽の鳥となって

おし鳥と申すのだそうです。

美しい妻を慕う鳥でございます。


(補足)

「可ん者く」、読みはこれでよいとおもうのですが、意味が?「関白」としましたがやはり変です。

「そ能れいこん」、変体仮名「能」(の)としましたけど「乃」かもしれません。

「申いろうつまを」、はじめ「い可う」と読んだのですが意味不明。で、「いろう」を調べてみると、「色ふ・彩ふ」がありました。文字通りの意味でした。

 丸に「助」が右袖にあります。美男です。商人なので箱に売り物が入っているのか大きな荷物、全ページの桶を担いでいた二人の職人の天秤棒もそうでしたが、ここの天秤棒も両端にちゃんと紐が滑り落ちないための止めが描かれています。なかなか細かい。

 

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