2022年4月3日日曜日

塩賣文太物語上 その10

P5後半 国立国会図書館蔵

(読み)

大 くうし鳥 をす起て可へり中 尓もおし鳥 をひそう

だいぐうじとりをすきてかえりなかにもおしどりをひそう


して文 太尓あつけをく又 そのころミやこゟ 来 る

してぶんたにあづけおくまたそのころみやこよりきたる


助 八 といふあきんどいつも文 太可゛もとをやどとせり

すけはちというあきんどいつもぶんたが もろをやどとせり


小志本歌道 をこのめバ助 八 尓奈づミいつし可

こしおかどうをこのめばすけはちになづみいつしか


ふ可くいゝ可王し此 よ奈らぬ中とぞ奈り尓个る

ふかくいいかわしこれよならぬなかぞなりにける


文 太もむ春め可゛?いけとり志るとハいへども

ぶんたもむすめが ?いけとりしるとはいえども


春け八 可゛人 可゛らいやし可らねハミぬふり尓てい多る

すけはちが ひとが らいやしからねばみぬふりにていたる


(大意)

大宮司は鳥が好きで中でもおし鳥を秘かに

文太にあずけていました。またその頃都からやって来た

助八という商人はいつも文太の家を宿としていました。

小しおは歌を詠むことが好きで助八になじんでいつしか

深く言い交わし、ならぬ中になりました。

文太も娘が助八を好きであることはわかっておりましたが

助八の人柄がよかったので見て見ぬ振りをしていました。


(補足)

 読めないところが何箇所もあり、前後から類推しましたのでフィクションになっていそうです。

「をす起て可へり中尓も」、読みがあっているのか、あってたとしても正確な意味がどうもわかりません。「可へり」は「可ハり」かも。「中」がかすれていて読みが違いそう。しかし全体的な意味は「鳥が好きで中でもおし鳥を秘かに飼っていて」だとおもいます。

「ふ可くいゝ可王し此よ」、「ふ」が「や」に見えました。「いゝ可王し」は悩みました。

「此よ」は「これよ」だとおもうのですが、「よ」は「尓」?、そして意味が?

「む春め可゛?いけとり」、ウ~ン。

 わからないところだらけでへこみます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿