2022年4月10日日曜日

塩賣文太物語上 その17

P10 国立国会図書館蔵

(読み)

「助」

そ奈多ハく多びれハせぬ可もふ

そなたはくたびれはせぬかもう


二三 りあるびや

にさんりあるびや


小志本つまの可多へ

こしおつまのかたへ


ふミして志らせ

ふみしてしらせ


両  人 うちつれて

りょうにんうちつれて


ミやこの可多へ行

みやこのかたへゆく


(大意)

あなたはくたびれてないか(大丈夫か)、もう

二三里歩こう。

小しおは恋人である助八に

手紙を書きしらせ

二人して都へ逃れ行きました。


(補足)

「あるびや」、あよ・ぶ【歩ぶ】①あるく。あゆむ。「鬼は―・び帰りぬ」〈宇治拾遺物語・9〉。などとありました。

「小志本つまの可多へ」、つま 1【夫・妻】① 〔配偶者の意〕夫婦や恋人などが,互いに,相手を呼ぶ称。男女ともに用いた。

 小しおの裾は地面を引きずって、都についたときにはさてどうなっていることやら。

 

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