2022年4月12日火曜日

塩賣文太物語上 その19

P11後半 国立国会図書館蔵

(読み)

「文」

奈尓\/

なになに


王多くし

わたくし


たちの起

たちのき


候   あとハ

そうろうあとは


さぞ\/

さぞさぞ


御両  志ん

ごりょうしん


い可゛い

いが い


御くらう尓

ごくろうに


候  者ん

そうらわん


可王いや\/

かわいやかわいや


(大意)

なになに

『わたくしが立ち退きましたあとは

さぞさぞご両親様にはご苦労が

あるかもしれません』

かわいいのう、かわいいのう。


(補足)

「奈尓\/」のあとは小しおの書き置きの文です。

「И」+「ゝ」のようなかたちの文字が2箇所あります。手紙文の「候」です。

「m」のようにみえるのは「御」のくずし字。「両」のくずし字が「あ」にみえます。「志ん」が一文字のようでまぎらわしい。

「いがい」、「意外」でしょうか。予想外。思いがけないこと(さま)。

「候者ん」、「そうらわん」です。

 文太の前に置いてある両端を絞った紐つきの筒状のものは何でしょう?手紙が入っていたもの?

 

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