P12前半 国立国会図書館蔵
(読み)
「大」
きつくいましめよ
きつくいましめよ
大 ぐうじ
だいぐうじ
心 を可けし小志本ハ
こころをかけしこしおは
可けをちさする
かけおちさする
そのうへひそう
そのうえひそう
してあづけをく
してあずけおく
をし鳥 ハ尓可゛す
おしどりはにが す
一 可多奈らずい起
ひとかたならずいき
とをり者らたちて
どおりはらたちて
(大意)
きつくしめあげろ。
大宮司は我がものとしようとした小しおが
駆け落ちをするは、
そのうえ、秘かに飼ってあずけておいた
おし鳥を逃がすは
大いに憤慨し、腹をたてました。
(補足)
書き手も彫師も摺師も上手とみえて、読みやすい。
「きつく」、「く」は「と」にも「こ」にもみえます。「く」の上に点がありこれは平仮名ではなく変体仮名「久」(く)でしょうか。
「可けし」、「け」の中央に「し」の先端が入っています。
「い起とをり」、「ど」と読めばすぐにわかりました。
この絵師は手や足を小さく描くのが好みのようです。
大宮司の蜘蛛の巣のような柄や家来のラーメンどんぶりの縁の模様のような柄もおもしろい。
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