2022年4月17日日曜日

塩賣文太物語上 その24

P15 国立国会図書館蔵

(読み)

代 くわん志よゟ 使  として

だいか んじょよりつかいとして


何 可し来 り??文 太

なにがしきたり??ぶんた


ふうふ可゛つミをゆるしふし可゛けを

ふうふが つみをゆるしふしが けを


やめられ个るぞ

やめられけるぞ


あり可゛多个れ

ありが たけれ


い可尓文 太

いかにぶんた


そち多ち両  人

そちたちりょうにん


をし鳥 のため

おしどりのため


つミせし?

つみせし?


事 ふびん尓

ことふびんに


お本しめして

おぼしめして


御た春け

おたすけ


あるぞ

あるぞ


(大意)

代官所より某使者がやって来ました。

「罪人なる文太夫婦の罪を許し

ふし掛けを解かれたぞ。

感謝せよ。

なんと文太よ、

おまえたち両人は

おしどりを逃したことを不憫に

おもわれてお助けくださったのだ」


(補足)

「何可し来り??文太」、「??」は「ぬひ」(奴婢)でしょうか。または「何可し来りぬ」できれて「ひ文太」、「ひ」は「匪」で「わるもの」の意味。ウ~ン・・・

「つミせし?」、前後関係から推理しようともウ~ン。

平仮名の「た」や「け」も使われてます。

 前回、視線の先に大宮司がいると記しましたが、間違いでした。顔が似ているだけでした。

使者の某は右手に扇を逆さにもって、指示棒のように使っています。よくある仕草だったのかも。

 

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