P13 国立国会図書館蔵
(読み)
文 太ふうふを
ぶんたふうふを
ふしづけ尓する
ふしづけにする
「ね」
む多゛本年おつ多
むだ ぼねおった
をれまで可゛う者ら奈
おれまでご うはらな
もとゟ 正 じきなる文 太
もとよりしょうじきなるぶんた
ふうふ子由へ尓つミせらるゝ
ふうふこゆへにつみせらるる
事 す奈しも王るびれず
ことすなしもわるびれず
すま起尓奈りうミへ志づめらるゝ
すまきになりうみへしずめらるる
男 共 てあら尓あつ可う
おとこどもてあらにあつかう
(大意)
文太夫婦をふしづけに処する。
「ね」無駄骨をおった。オレまで腹がたった。
もとより正直な文太夫婦の子でしたから
罪を犯したわけもなく、
悪びれずに簀巻きになり、海へ沈められそうになり
男どもは手荒に扱うのでした。
(補足)
「ふしづけ」、ふしづけ【柴漬け】① 冬,柴(しば)や笹(ささ)を束ねて湖や川岸に沈めておき,寒さを避けて集まりひそむ魚を捕らえるもの。粗朶(そだ)巻。漬け柴(しば)。笹伏せ。②〔その形が① に似ていることから〕罪人などを簀巻(すま)きにして水中に投げ入れること。「とときの淵に―にしたてまつりけり」〈曽我物語2〉。と辞書にありました。
「をれまで可゛う者ら奈」、「オレまでが」できると意味がわかりません。「可゛う者ら奈」は「業腹」(ごうはら)でした。なかなかわかりませんでした。
「つミせらるゝ」、「らるゝ」が「し奈く」とも見えて、よくわかりません。
「事す奈しも」、ここも自身がありません。
「男共」、「共」はわかったのですが「男」がてごわかった。
重しの石がありますがこれは前頁の文太の簀巻きにつながっています。ねじかね婆は関取並にでかい。文太の妻の帯の結びが前にきています。文太は悪びれずにかもしれませんが、奥方はとてもいやそう。
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