2022年4月19日火曜日

塩賣文太物語上 その26

P17前半 国立国会図書館蔵

(読み)

文 太ふうふふし付 能奈んを

ぶんたふうふふしづけのなんを


の可゛れ本゛うぜんとしてい多り

のが れぼ うぜんとしていたり


し可゛代 く王ん志よのさむらい

しが だいか んじょのさむらい


両  人 尓む可いま事 ハ王れ

りょうにんにむかいまことはわれ


をし鳥のつ可゛い奈り

おしどりのつがいなり


者可らずも大 ぐうじ尓

はからずもだいぐうじに


とら王れ

たらわれ


(大意)

文太夫婦はふし付け刑の難を

逃れ呆然として

いましたが、代官所の侍が

両人に向かって申し述べました。

「まことはわたしは

おし鳥のつがいなのです。

はからずも大宮司にとらわれてしまい


(補足)

「ふし付能」、「ふし付」は簀巻きの刑。変体仮名「能」(の)はよくでてきます。

「ま事ハ」、「真(まこと)は」なのですが、この字の並びは馴染みがなく、すぐにはピンときません。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿