P17前半 国立国会図書館蔵
(読み)
文 太ふうふふし付 能奈んを
ぶんたふうふふしづけのなんを
の可゛れ本゛うぜんとしてい多り
のが れぼ うぜんとしていたり
し可゛代 く王ん志よのさむらい
しが だいか んじょのさむらい
両 人 尓む可いま事 ハ王れ
りょうにんにむかいまことはわれ
をし鳥のつ可゛い奈り
おしどりのつがいなり
者可らずも大 ぐうじ尓
はからずもだいぐうじに
とら王れ
たらわれ
(大意)
文太夫婦はふし付け刑の難を
逃れ呆然として
いましたが、代官所の侍が
両人に向かって申し述べました。
「まことはわたしは
おし鳥のつがいなのです。
はからずも大宮司にとらわれてしまい
(補足)
「ふし付能」、「ふし付」は簀巻きの刑。変体仮名「能」(の)はよくでてきます。
「ま事ハ」、「真(まこと)は」なのですが、この字の並びは馴染みがなく、すぐにはピンときません。
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