2022年4月6日水曜日

塩賣文太物語上 その13

P7 国立国会図書館蔵

(読み)

ねぢ可年者゛ゝ

ねじかねば ば


いろ\/

いろいろ


だまし个れ共

だましけれども


小志本可゛てん

こしおが てん


せぬ由へ

せぬゆえ


松 者゛尓て

まつば にて


いぶし

いぶし


ころさん

ころさん


とする

とする


「ね」

志ぶとい

すぶとい


とちあま

とりあま


め多゛

めだ


たぬ起もど起

たぬきもどき


いぶつて

いぶって


やらう

やろう


尓くい

にくい


つら可奈

つらかな


「小」

どのやう尓

どのように


せわられても

せわられても


心  尓志多可゛う事 ハ

こころにしたが うことは


いやじや

いやじゃ


(大意)

ねじかね婆はいろいろと

だましたのですが

小しおは承知しなかったので

松葉でいぶし

殺そうとしました。


「ね」

しぶとい

馬鹿な女だ


たぬきのように

いぶし殺してやる

憎らしい面だ


「小」

どのように

しつこく頼まれても

おまえの言うようになるのは

いやじゃ


(補足)

 ふぅ、この頁でやっと完読できました。

「だまし个れ共」、「たぬ起」、この頃(寛延二年1749年)は平仮名「た」もよく使われていたようです。明治前後ではめったにみることはなくほとんど変体仮名「多」(た)になります。

「とちあま」、調べてみるとそのままのっていました。きっと、どじなあまがつまったのでしょう。

「たぬ起もと起」、これはぶんぶく茶釜をもじったものか。

「せわられても」、「せわる」という動詞がのっていました。せがむ。うるさく催促する。

「心尓志多可゛う事ハ」、小しおの本心は助八にあるので、ねじかね婆になびくのは本心ではないはずですが、この言葉通りではおかしい。読み違えたか。いぶされて、小しおは気持ちよさそうだし・・・

 

0 件のコメント:

コメントを投稿