P7 国立国会図書館蔵
(読み)
ねぢ可年者゛ゝ
ねじかねば ば
いろ\/
いろいろ
だまし个れ共
だましけれども
小志本可゛てん
こしおが てん
せぬ由へ
せぬゆえ
松 者゛尓て
まつば にて
いぶし
いぶし
ころさん
ころさん
とする
とする
「ね」
志ぶとい
すぶとい
とちあま
とりあま
め多゛
めだ
たぬ起もど起
たぬきもどき
いぶつて
いぶって
やらう
やろう
尓くい
にくい
つら可奈
つらかな
「小」
どのやう尓
どのように
せわられても
せわられても
心 尓志多可゛う事 ハ
こころにしたが うことは
いやじや
いやじゃ
(大意)
ねじかね婆はいろいろと
だましたのですが
小しおは承知しなかったので
松葉でいぶし
殺そうとしました。
「ね」
しぶとい
馬鹿な女だ
たぬきのように
いぶし殺してやる
憎らしい面だ
「小」
どのように
しつこく頼まれても
おまえの言うようになるのは
いやじゃ
(補足)
ふぅ、この頁でやっと完読できました。
「だまし个れ共」、「たぬ起」、この頃(寛延二年1749年)は平仮名「た」もよく使われていたようです。明治前後ではめったにみることはなくほとんど変体仮名「多」(た)になります。
「とちあま」、調べてみるとそのままのっていました。きっと、どじなあまがつまったのでしょう。
「たぬ起もと起」、これはぶんぶく茶釜をもじったものか。
「せわられても」、「せわる」という動詞がのっていました。せがむ。うるさく催促する。
「心尓志多可゛う事ハ」、小しおの本心は助八にあるので、ねじかね婆になびくのは本心ではないはずですが、この言葉通りではおかしい。読み違えたか。いぶされて、小しおは気持ちよさそうだし・・・
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