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(読み)
可尓ゝうちつけるゆへ可尓ハくや
かににうちつけるゆえかにはくや
しく奈げ起をるところへ者ち
しくなげきをるところへはち
可゛き多りてさるを志多ゝ可尓
が きたりてさるをしたたかに
「アゝざんねん\/」
「ああざんねんざんねん」
(大意)
蟹に投げつけたので蟹は悔し
くて嘆いていたところへ、蜂
が飛んできて猿をしたたかに
「ああ残念残念」
(補足)
「可尓ゝ」、「ゝ」をみおとしてしまいそう。
「者ち」、変体仮名「者」(は)は「む」の下側が右斜め方向にダラダラっと流れるようなかたちですがここではその部分が小さい。
「志多ゝ可尓」、2行前にもありました「ゝ」があります。「可尓」は洒落たわけでもないとおもいますけど「志多ゝ」という種類の蟹がいるのかもしれません。
蟹が嘆いている「アゝざんねん\/」は注意しないと書いてあるのもわかりません。
今回の頭にかぶせてある蟹のお面は、爪も立派で形もくっきりです。
野原をひょっとこみたいな顔をして逃げ回るのは蜂に追われる猿でしょうか。拡大してみると着物の柄が桃の果実と葉のようです。
P4P5見開き
画面の構成が上手です。それよりも細い硬筆でくまなく描きこんでいることの方に関心がいってしまいます。
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