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(読み)
「アァくるしい
あぁくるしい
どうぞいのち者゛可り
どうぞいのちば かり
ハ多春けてく多゛さい
はたすけてくだ さい
いごハきつとこゝろ
いごはきっとこころ
をあら多め
をあらため
ま春可ら◯
ますから
◯お奈可まへ
おなかまへ
い連てく多゛さい
いれてくだ さい
(大意)
「あぁ苦しい
どうぞ命ばかりは助けてください。
以後はきっと心を改めますから。
お仲間へ入れてください。
(補足)
変体仮名がいくつも使われていますが、すべていままでにみてきたものでスラスラ読めます。文章も大意を略してもよいくらいそのままで通じます。
猿の着物の柄がどの頁でも柿の果実と葉です。たいていは頁が変わると異なるものなのですけど。猿の反りっかえりようがすごい。そのまま回転してブリッジになりそう。シワシワの必死の形相がよく出てくる豊臣秀吉に似ています。
縁側の板が柾目で、目の間隔を変化させている凝りようがとても意識的に感じます。
屋外の風景も銅版画でできるテクニックをいろいろ試しているみたい。
P10P11見開き
見開きで見てもやはり銅版画なのだぞという画工の気持ちが伝わってきます。立ち臼親の表情がそんなふうにみえてしまう。臼を持つために脇をえぐってありますが、それが口に見えてもう一つ顔があるようにみえます。
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