2020年12月15日火曜日

豆本 猿加尓合戦 その13

P8前半

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(読み)

可くとも志ら春゛

かくともしらず


のこりてある可起

のこりてあるかき


可゛本しく可尓の

が ほしくかにの


うちへき多りこの

うちへきたりこの


あい多゛ハ志つけい

あいだ はしっけい


しまし多とゐろり

しましたといろり


(大意)

(猿は)そうとも知らず

残っていた柿

が欲しく蟹の

家へ来ました。

「この間は失敬しました」

と囲炉裏


(補足)

 もう児雷也(じらいや)そのもの。囲炉裏に隠れて中から出てきたという感じではなく、空中から左脚でドンと囲炉裏に飛び降りた勢いです。右手は背中の刀に左手はおもいっきり開いて歌舞伎です。衣裳もいいねぇ~。おでこの玉子はちっとも違和感なし。

「志ら春゛」、「ら」が悩みます。

「のこりてある」、「このあい多゛ハ」、「あ」は「お」の「丶」なしのような形。「い」は平仮名「い」より変体仮名「以」にちかそう。

「志つけいしまし多」、「志つけい」って何だろうとしばらく考えてしまいました。

「ゐろり」、「ろり」が二重に見えますが、銅版画なのでここだけちょっとミスった感じ。

 

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