2020年12月2日水曜日

豆本 花さ起ぢゝい(小林英次郎)その22

裏表紙

(読み)

なし

(大意)

なし

(補足)

 何度見ても面白い図案です。細長い草のような花のような意匠はともかく、やや大きめな両眼とその間の小さな鼻に腕を広げ威嚇して腕先にはとがった爪状の手、ちょっと怖いけどどこか滑稽さがある。実際に出くわしたら逃げますけど・・・漢字「堂」そのままでもあります。

 ここまでおもに明治期の豆本をたくさん投稿しました。江戸後期の浮世絵・錦絵・風景画などなどたくさんのものがこの手のひらに収まる小さな豆本にも流れ込んでいるのがわかります。豆本の作者はそれほどたくさんいたわけではありませんし、価格も1銭や1銭5厘とだれもがちょっと買ってみるかと簡単に手にすることのできる価格です。いわば吹けばとぶような書籍でありました。出版した編集人や画工はまさか後世の21世紀にまで伝えられ国立国会図書館に保存されるとはおもってみなかったでしょう。江戸時代からの大きな流れが明治期に豆本という小さな川に流れ込み、やがてその小さな流れから大正昭和と少しずつ大きな流れとなり現在の漫画という大河になりました。

 もう少し照明があてられてもよさそうな分野だとおもいますが、そのようなことは申しますまい。細々とではあっても現在までなんとか残ってきたのですから、これからも細く長くしっかりと伝えていかねばなりませぬ。


 

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