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(読み)
そ連よりさる可尓王本゛く
それよりさるかにわぼ く
奈しう春多満ご者ちの
なしうすたまごはちの
ミ多り可゛多ちあひ尓て
みたりが たちあひにて
奈可奈本りのさけくミ
なかなおりのさけくみ
可ハせいとむつましくつ
かわせいとむつましくつ
きあひしと奈んめで多し\/
きあいしとなんめでたしめでたし
(大意)
それより猿と蟹は和睦し
臼、玉子、蜂の
3人が立ち会って
仲直りの酒を酌み
交わしました。とても睦ましい
付き合いとなりました。
めでたしめでたし。
(補足)
「ミ多り」、三人。
「奈可奈本り」、変体仮名「可」が「奈」とつながっているのでちょっとわかりずらい。毎度のことですが、「可」と「う」の区別は文章の流れから判断するのが一番です。
背景に山がよく出てきました。画工のふるさとの山かもしれません。この頁では集落も描かれています。
猿と蟹がごちそうののったお盆をはさんで酒を酌み交わしているところ。猿の小皿にも蟹の小皿にも箸があります。猿の脇にあるのは面白い形の銚子。蟹の姿が実に細かく図鑑にものせられそうです。ハサミもでっかい。
最後まで銅版画の力を訴えるかのように草地を細かい網目のように一本一本描いています。執念です。
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