2020年12月30日水曜日

豆本 禰この道行 その6

P.4前半

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(読み)

五さんとあるよふ多り王可゛やを

 さんとあるよふたりわが やを


ぬけいでゝねぎしのさと尓ゆき奈

ぬけいでてねぎしのさとにゆきな


可ちを可りて春ミゐ多りきんじよ

かちをかりてすみいたりきんじょ


のごろつき尓くまといふものあり

のごろつきにくまというものあり


(大意)

(暮ら)そうとある夜ふたりは我が家を

抜け出て根岸の里へ行き、中地(なかち?)

を借りて住むようになりました。近所の

ごろつきにクマというものがいて、


(補足)

「王可゛や」、変体仮名「王」(わ)は「已」のようなかたち。

「ねぎしのさと尓ゆき奈可ちを可りて」、「奈可ち」が間違いかもしれません。「ゆき奈」が違うよみで、「可ち」は「うち」(家)としても意味は通じるので、ウ~ン、悩みます。

 二匹いやふたりのなんとも幸せそうな表情、とくにおコマ。飼い猫がいつもこんな表情なら飼い主さんはメロメロでしょうね。そしてトラ蔵の渋みのある優しくおコマを見つめる目。色男全開であります。

 ふたりの衣裳も細かいけど、障子の腰板の板目の描き方もこだわってます。他の部分も実に念入り。

 

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