2020年12月23日水曜日

豆本 猿加尓合戦 その21

奥付

(読み)

明治十五年七月十一日御届

東京日本橋区馬喰町二丁目一番地 定價三銭

編輯兼出版人 木村文三郎

大賣捌人

東京通油町 水野慶次郎

同 横山町 辻岡文助

越後三条  浅間傳財門

同 長岡  松田周平

越後葛塚  弦巻七十郎

甲州三日町 松本米兵衛

箱館地蔵町 木下清次郎

信州松本  髙美甚左エ門


(大意)

(補足)

 定價三銭とありますから、いままで見てみた豆本が一銭か一銭五厘でしたので、ちょうど倍になります。一銭・一銭五厘が今の価値で約400円なので銅版の豆本は約800円となります。手にとってすぐに買おうという気持ちにはちょっと躊躇する価格でしょうか。300〜400円くらいなら子どもの土産にすぐに買ってしまうでしょうけど千円近くになると、二の足を踏んでしまいます。

 大賣捌人とは今の本の小問屋のことです。出版社から各地で仕入れて地元の小売店に捌(さば)くわけです。当然人が多く賑やかな地域でなければ商売は成り立ちません。東京はともかく越後に三条・長岡・葛塚と3ヶ所もあります。そして甲州・箱館・信州と販売地域も広いです。

 算法新書の広告があります。ネットでダウンロードしたら215頁もありました。

和算のそろばんから始まり高等数学まで扱っています。

広告文の読みです。

「此書ハ長谷川先生の校閲として考今算法書の数多しといへども

他尓比べき書籍奈し実尓古今無類の数書奈れバ算法と志し

阿る諸君乃求メの程伏して希ふ尓お也」

間違っているところあるかもしれません。

他の広告文もだいたい意味がわかりますが、読めない箇所もあってなかなか難しい。


 

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