2020年7月23日木曜日

的中地本問屋 その40




P.14



P.14 上段後半

(読み)
くちも八 てう
くちもはっちょう

手も八 てう
てもはっちょう

といふおん奈
というおんな

者゛ゝ可ゝ尓
ば ばかかに

とぢさセ
とじさせ

个るゆへ
けるゆえ

まづこれも
まずこれも

ま尓
まに

あひ个る
あひける

よふ春也
ようすなり


「こゝハ何
 ここはなに

も可く
もかく

こと可゛
ことが

奈い
ない

そふ多゛
そうだ


(大意)
口も八丁、手も八丁という女、婆婆、かかに
綴じさせたので、まずはこの仕事も
どうにか間に合いそうな様子である。

「ここは何も書くことがないそうだ


(補足)
「者゛ゝ可ゝ尓」、初見で読むと悩みますが、「可」がわかれば解決です。
「个るゆへ」、この「ゆ」はわかりやすい。
「よふ春也」、「也」が「へ」や「え」に見えますが、それが「也」のくずし字。

「何」、「亻」+「可」で、「可」のくずし字「う」のようになってます。
「こと」は合字。

 背景に目隠し柵が描かれています。
下部の造作なども丁寧に仕上げています。
この柵部分の直線は定規を用いてなく手書きのようです。


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