P.9
P.9 下段
(読み)
お者いり
おはいり
奈さい
なさい
ゝ
おはいりなさい
おく可゛
おくが
ひろふ
ひろう
ごさり
ごさり
ま須と
ますと
个つ
けつ
可る
かる
(大意)
お入りなさい、お入りなさい
奥が広うございますって
言ってやがる
(補足)
「个つ可る」(けつかる)。「ある」「いる」などの意で卑しめていう。
「なにをいってけつかる」(なにをいっていやがる)。
どうしていきなりこの文章がでてきたかよくわかりませんが、包丁で切る音「トントン、トトトトトン、トトトトトン」に引っ掛けたのかもしれません。
当時、寄席や見せ物小屋の入り口では番台みたいなところで、木戸札(入場券)を渡していましたが。そのときに呼び声とともにその木戸札で調子をとって叩いていたようです。
その音と包丁の音を重ねたのでしょうか。
浅草の飴売りでも包丁で調子をとって音をだしてお客さんを呼び込んでいますが、一番馴染みがあるのがこの木戸札を叩く音だったのでしょう。
紙を大量に扱う工場で後ろに火鉢が見えます。ヒヤッとします。江戸の街は年がら年中火事だらけでした。「火事と喧嘩は江戸の華」。
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