P.11
P.11 上段後半
(読み)
尓个゛るハ
にげ るは
おい可け
おいかけ
奈べ可満い
なべかまい
可け可こひ
かけかこい
ハおて可け
はおてかけ
可ゝあハ
かかあは
や起可け
やきかけ
多゛ん奈ハ
だ んなは
や多ら尓可よひ
やららにかよい
「そりヤこそ可个るハ
「そりゃこそかけるは
ひやうしを
ひょうしを
可个るハ
かけるは
どこ春こ
どこすこ
どんゝ
どんどん
(大意)
逃げるは追い掛け
鍋釜鋳掛け
囲いはお手掛け
かかあは焼き掛け
旦那はやたらにかよい(掛け)
(補足)
江戸の洒落はそのほとんどが言葉遊び、言葉の引掛けですけど、ここでも洒落まくってます。
でも、その引っ掛けている元の意味がわからないと?マークだらけになってしまう。
「逃げるは追い掛け」はそのままの意味。
「鍋釜鋳掛け」は鋳掛屋(いかけや)が棒手振りのように江戸市中を「いけけやでござ~い」と商売に精をだしていました。鍋や鎌の穴を修理した。
「囲いはお手掛け」は難しい。囲い女で妾(めかけ)のことを手掛け(てかけ)ともいった。妾を(てかけ)とも読ませる。
「かかあは焼き掛け」、夫が妾にぞっこん、かみさんは焼きもちをやく。
それで、かえって
「旦那はやたらにかよい(掛け)」る。
太鼓をたたき「そりゃそりゃ」と囃し立て、ますます賑やかになります。
心配そうに暖簾からのぞく女将さん、表情はにこやかです。
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