P.14
P.14 上段前半
(読み)
いで多りこれを
いでたりこれを
ありどふしと
ありどうしと
いふこのごとく尓し
いうこのごとくにし
多らバよ可らんと
たらばよからんと
ありをとらへて
ありをとらえて
いとをつけさうしの
いとをつけそうしの
あ奈をとふ
あなをとう
春つもりの
すつもりの
ところどふも
ところどうも
そふうまく
そううまく
ハい可ずこれ
はいかずこれ
ハやめ尓して
はやめにして
(大意)
でてくる。これを
あり通しという。
このようにすればよいだろうと、蟻をつかまえ糸をつけて、
草紙の穴を通すつもりだったが、どうもそううまくはいかなかった。
そこでこの方法はやめにして、
(補足)
とくに読みにくい字というのはありませんが、
「り」「つ」「ら」「う」「可」に注意して、文章前後の意味から判断して読んでいきます。
また文章の切れ目が分かりづらいところもあるので、そこも注意です。
「このごとく尓」、「ごと」は合字。
「あ」「お」の区別は「お」に「丶」がないのが「あ」としてきましたが、
「さうしのあ奈をとふ春」、ここの「あ」は他の「あ」とは異なってます。
「い可ずこれハやめ尓して」、「ず」が「春゛」になっていません。現在と全く同じ「ず」です。
「や」がこれも現在と全く同じ、他のところでは「や」にそっくりでした。
穴を通す作業のお姉さんたち、仕事がしやすいよう普段着でゆったりと着ているようです。でも、髷はしっかりオシャレしてますし、生え際なども丁寧に描かれています。
0 件のコメント:
コメントを投稿