P.16
P.16 中段
(読み)
「いゝ多本゛可゛
いいたぼ が
こうひつ
こうひっ
者゜つ多ら
ぱ ったら
まんざら
まんざら
でもある
でもある
めへ可゛
めえが
おヤぢ
おやじ
多゛と
だ と
おもつ
おもっ
てそふ
てそう
つれ奈くハセ奴もの多゛
つれなくはせぬものだ
(大意)
「いいタボがこんなふうに引っ張ったら
まんざらでもあるめいが、
おやじだとおもって
そうつれなくはしないものだ
(補足)
出だしから?です。
「いゝ多本゛可゛」、「多本」(たほ)なのか「多本゛」(たぼ)なのか、少しかすれているのでわかりません。「たほ」で調べてもなし。「たぼ」だとありました。日本髪の後ろに張り出した部分をそういえば「たぼ」というのでした。それから派生して「若い婦人」や「酌婦」とあります。
上段でも「者゜」(ぱ)の◯がくっきりでした。先端が丸い彫刻刀を使って彫ったようにまん丸になってます。
「おもつて」、この「も」はとても「も」とは読めません。最後の右に持ち上がる部分がすべて左に流れてしまっています。
P15P16見開き
村田屋売り子、左足先は反り返り、右の手のひらはやめてくれーと言わんばかりにすっかり広がってしまってます。歌舞伎の見得を切ったところみたいです。
新年で皆さんのウキウキ感が伝わってきます。
子どもを左肩にのせています。
残念ながらたぼは見えませんが、若い女性と男の人が右手で指差し何やらうれしそうにおしゃべりしています。
売り出し日の街なかの様子の一コマでしょうけど、それにしても人物描写が上手だなぁ。
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