P.11
P.11 上段前半
(読み)
ひやうし可け
ひょうしかけ
尓ハめうやく
にはみょうやく
も奈く
もなく
ふとおもい
ふとおおい
つ起て多い
つきてたい
こを多ゝ起
こをたたき
多てゝ者
たてては
やし个るハ
やしけるは
可个るハゝ
かけるはかけるは
ひやうしを
ひょうしを
可个るハ
かけるは
ひやうし尓
ひょうしに
可ゝつて
かかって
可けやん志よ
かけやんしょ
可けるハ可起
かけるはかき
ざ起あ多まハ
ざきあたまは
者す可゛け
はすが け
(大意)
表紙掛けには妙薬もなかった。
フト思いついて、太鼓を打ちたたいて囃し立ててみたところ、
掛けるは掛けるは
表紙を掛けるは
拍子にかけて
かけやんしょ。
かけるは角裂(かきざき)
頭ははすがけ
(補足)
句読点がなくどこで区切るか、わかりにくところが随所にでてきます。
「多いこを多ゝ起多てゝ」、このようにつながっているとわかれば、難なく読めます。
「多てゝ」の部分だけをながめてると、悩みます。
「者やし个るハ」、ここの「个」は変体仮名ですが、「可けるハゝ」では平仮名「け」で使い分けいます。
「ひょうし尓可ゝつて」、もちろん太鼓の「拍子」と「表紙」を掛けています。
「可起ざ起」。角裂れ・角切れ(かどぎれ)。和本の背の上下両端にはりつける布。
「あ多まハ者す可゛け」(頭は斜がけ)。この当時流行っていた髷(まげ)の形。髷の先をちょいと斜めにする。
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