P.9
P.9 上段前半
(読み)
さうしのてう あい
そうしのちょうあい
をとつて志もふと
をとってしもうと
それ可らあと
それからあと
さ起てんちを
さきてんちを
多ちそろへる
たちそろえる
これ可゛ま多
これが また
多ち尓くい
たちにくい
もの尓てひま
ものにてひま
のいるもの奈れバ
のいるものなれば
これを多つもの尓ハ
これをたつものには
ぎをんどふ婦の本う
ぎおんどうふのほう
てうをセんじて
ちょうをせんじて
のまセ个れハ
のませければ
多ち
たち
まち
まち
(大意)
丁合いの工程がすむと、その次は
後先天地(前後左右)を揃える工程になる。
この作業がまた裁ちにくく
手間暇がかかるものなので
これを裁つものに祇園豆腐の包丁を煎じて
のませてみたところ
たちまちにして
(補足)
「ぎをんどふ婦」、「祇園豆腐」。江戸時代京都で有名だった田楽豆腐。八坂神社前に店が2軒あった。
「とつて志もふと」、「と」がわかりにくい。
(その23)P8上段で『「志もふ」、「も」は「ま」の誤字か』としましたが、ここにも同じ「志もふ」とありますので、わたしの間違いでした。
「どふ婦」、「ふ」の変体仮名「婦」。
豆腐を切るように天地を揃える包丁作業も簡単にスパスパできるようにと願ったようです。
紙漉重宝記に「半紙裁切圖」があります。こちらは専用の鎌で切ってます。
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