2020年7月20日月曜日

的中地本問屋 その37




P.13



P.13 上段後半

(読み)
あ奈の
あなの

くちもと尓
くちもとに

いれこ奈多の
いれこなたの

くちへミつを
くちへみつを

ぬりおき多るを
ぬりおきたるを

可のありミつの
かのありみつの

尓本ひを可起゛つけ
においをかぎ つけ

多゛んゞ と多満の
だ んだんとたまの

うちをこ奈多のくちへぬけ
うちをこなたのくちへぬけ


「ありどうしの
 ありどうしの

あんじハ
あんじは

ちと里尓
ちとりに

おち多
おちた

よふ多゛
ようだ


(大意)
穴の口元に入れ、
出口側の口へ蜜を塗っておく。
そうすると、その蟻は蜜の匂いを嗅ぎつけて
少しずつ玉の内を出口へ抜け、

「蟻通しの工夫は
ちょっと理にはしりすぎたようだ


(補足)
「蟻通し」は文中にもあるとおり唐の故事にちなんだもの。
ネットで調べると枕草子244段にもこの故事の事が詳しく記されれいました。
わたしはちっとも知りませんでした。

「くちもと尓」、「と」が「>」のようにみえてわかりずらい。
「いれこ奈多の」、「いれ」で区切ります。「こ」に濁点があるようでまぎらわし。
「くちへミつを」、「ミ」が小さい「え」のようにみえますが、カタカナ「ミ」の2画目3画目がつながっているだけ。このあとの「ミつ」も同様。

「尓本ひを可起゛つけ」、「多゛んゞと多満の」、変体仮名のよい練習になります。

「案じ」、工夫、計画、考え。
「ちと里尓」、「里」のくずし字、ちょっとわかりずらい。


 実際に蟻通しを試したのかどうか、右下に七つに曲がった玉(絵では7つもない)がありますが
「ちと里尓おち多ようふ」なので、絵だけのことなのでしょう。



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