P.13
P.13 上段後半
(読み)
あ奈の
あなの
くちもと尓
くちもとに
いれこ奈多の
いれこなたの
くちへミつを
くちへみつを
ぬりおき多るを
ぬりおきたるを
可のありミつの
かのありみつの
尓本ひを可起゛つけ
においをかぎ つけ
多゛んゞ と多満の
だ んだんとたまの
うちをこ奈多のくちへぬけ
うちをこなたのくちへぬけ
「ありどうしの
ありどうしの
あんじハ
あんじは
ちと里尓
ちとりに
おち多
おちた
よふ多゛
ようだ
(大意)
穴の口元に入れ、
出口側の口へ蜜を塗っておく。
そうすると、その蟻は蜜の匂いを嗅ぎつけて
少しずつ玉の内を出口へ抜け、
「蟻通しの工夫は
ちょっと理にはしりすぎたようだ
(補足)
「蟻通し」は文中にもあるとおり唐の故事にちなんだもの。
ネットで調べると枕草子244段にもこの故事の事が詳しく記されれいました。
わたしはちっとも知りませんでした。
「くちもと尓」、「と」が「>」のようにみえてわかりずらい。
「いれこ奈多の」、「いれ」で区切ります。「こ」に濁点があるようでまぎらわし。
「くちへミつを」、「ミ」が小さい「え」のようにみえますが、カタカナ「ミ」の2画目3画目がつながっているだけ。このあとの「ミつ」も同様。
「尓本ひを可起゛つけ」、「多゛んゞと多満の」、変体仮名のよい練習になります。
「案じ」、工夫、計画、考え。
「ちと里尓」、「里」のくずし字、ちょっとわかりずらい。
実際に蟻通しを試したのかどうか、右下に七つに曲がった玉(絵では7つもない)がありますが
「ちと里尓おち多ようふ」なので、絵だけのことなのでしょう。
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