P.12
P.12 上段
(読み)
可けそりヤゝ
かけそりゃそりゃ
可けるハ
かけるは
ひやうしを
ひょうしを
可个るハひやうし尓
かけるはひょうしに
可ゝつて可けやん
かかってかけやん
志よどこゝ
しょどこどこ
ゝ ゝ どこ
どこどこどこ
春こどんと
すこどんと
者やし个れバ
はやしければ
こどもハミ奈ゝ
こどもはみなみな
う可れ多゛し
うかれだ し
このひやうし
このひょうし
可けハおもし
かけはおもし
ろいとむちう
ろいとむちゅう
尓奈つてめしを
になってめしを
くうこともうち
くうこともうち
王春れよるも
わすれよるも
いつまでも
いつまでも
ねむること
ねむること
奈くセい
なくせい
を多゛して
をだ して
ひやうし
ひょうし
を可个る
をかける
(大意)
(かよい)掛け、そりゃそりゃ
掛けるは表紙を掛けるは表紙に掛かって掛けやんしょ
どこどこ、どこどこ、どこすこどんと
囃子したてたところ
子どもはみなうかれだし
「この表紙掛けはおもしろい」と
夢中になって、飯を食うこともすっかり忘れて
夜になってもいつまでもねむることなく
精をだして表紙を掛けた。
(補足)
やや長い文章ですが、220年前のものがそのままで意味が通じますし、大意もそのままです。
文字もいくつかの変体仮名を知っていれば、難なく読むことができます。
後ろの棚に完成した冊子が整然と並んでいます。
定規を使わなければ線を引けなかったはずです。
定規に直接筆をあててしまっては、定規を離すときにかすれたり滲んでしまいます。
そこで細引きの筆ともう一本、ガイド代わりの棒などを使っていたようです。
定規にそのガイドが滑る溝をまっすぐに掘っておいて、そこをガイド棒の先端を滑らせます。
普段箸を使っていますから、ちょっと練習すればこのような作業は簡単だったはずです。
このガイド棒は時代が下って、ガラスが身近なものになるとガラス棒といったものが出回りました。ガラス棒の先端は丸くなって定規の溝を滑りやすくなってます。
これなら、子どもの頃に目にしたことがあります。
今でも使っているはずだとおもいます。
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