P.2下段
(読み)
□しろたろふと
しろたろうと
いふをミそめお
いうをみそめお
なことうまれ
なごとうまれ
し可ひある
しかひある
ならあ
ならあ
阿いふとの
あいうとの
ごとそいた
ごとそいた
いとこゝろ
いとこころ
尓王春るゝ
にわするる
ひまもなくそのいろ
ひまもなくそのいろ
(大意)
白太郎という(若者)を見初めて、
おなごと生まれたからには、あのような殿御に
添いとげたいと、心に忘れる時もありませんでした。
そのためその様子が、
(補足)
下段の方は上段よりまぁ読みやすい。
「しろたろふ」、同じ「ろ」でも違って見えます。あとの「ろ」は「ら」かともおもってしまいますが、5行目の「ら」と比べると明らかに異なってます。
「いふ」、一文字のように見えますが、「いふ」です。
「あ阿いふとのごと」、「あ阿」の変体仮名の使い方の妙。
「こゝろ尓」、「こ」の中に「丶」が入ってしまっていて、何の文字かと悩む。
「尓王春るゝ」、「るゝ」はこれだけだとわかりませんが、前後のつながりで読めました。
前回「ひ」で悩んだことを書きました。
ここでも「ひ」が4行目と最後の行に出てきてますが、現在と同じ「ひ」です。
ふと思い出したことがあり、調べてみるとやはりそうでした。
東京に鳥料理、特に軍鶏料理で有名な老舗「玉ひで」というお店があります。
看板は「玉飛天゛」なのですが、この「飛」が変体仮名でかかれています。
天に向かって飛ぶとは儲かりそうで縁起がいい。
街には変体仮名で書かれた看板が意外とたくさんあります。
お蕎麦屋さんも、「楚盤」が変体仮名になってますし、他にも探してみるのも面白そうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿