P.12
(読み)
[つゝき]
大よろろこひ尓て
おおよろこびにて
本うそう尓おさめ
ほうぞうにおさめ
个るめで多しゝゝ
けるめでたしめでたしめでたし
多ぬ起も
たぬきも
人を多春けし
ひをたすけし
むくひよつて
むくいよって
てん志やうく王い尓
てんじょうかい に
の本りしとぞ
のぼりしとぞ
(大意)
大喜びで(茶釜を)宝蔵に納めました。
めでたしめでたしめでたし。
たぬきも人を助けたことにより
天上界に昇ったということであります。
(補足)
茶釜はどこへいったのやら、右手に笏を持ち、奈良平安時代の貴族の正装です。
渋赤色の装束に淡黄色の丸い絵柄は茶釜の意匠。
キントン雲で天上界へ昇りゆく文福茶釜大明神のまなざしは下界にむけ、達観した表情。
品と威厳があります。
「本うそう尓」(ほうそうに)と読めても、意味がわかりませんが、続けて読むと「おさめ个る」とあるので、「宝蔵」かもとわかります。
「人を多春けし」、「人」の左上に点があり「いへ」と読んでしまいました。
「てん志やうく王い尓」、(てんじょうかいに)ですが旧仮名遣いだとなんとも・・・
手のひらサイズの豆本の短いお話、しかしジンと胸をうちました。
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