P.3
(読み)
そと尓
そとに
阿らハ
あらわ
礼个る
れける
志ろ
しろ
べいも
べいも
ひそ
ひぞ
うむ
うむ
春め
すめ
のこと由へ大 き
のことゆえおおき
尓こゝろを?[上へ]
にこころを
[下ゟ]
いためだんゝ
いためだんだん
このやふ春を
このようすを
さぐりしりて
さぐりしりて
(大意)
外目(そとめ)にもあらわれてきました。
白兵衛も秘蔵娘のことなので大いに心を痛め
少しずつ(娘の)様子を調べ知ることができました。
(補足)
読みにくいところがたくさん出てきてしまいました。
「阿らハ」、「阿」(あ)はよくでてきます。
三行目行頭の「?个る」、「れ」のはずですが、変体仮名「連」「礼」「麗」などのうちどれでしょうか。アレコレしらべても判然としません。
普段出てくる「連」のような気もしますが、ここは「礼」としました。
「志ろべいも」、「志」も「も」もわかりずらい。
「ひそうむ春め」、「う」「可」「ら」は注意が必要。「春」は「十」+「て」のような形。
「こゝろを?」、「こゝろ」のつながりが難しい。
「?」部分は、拡大してみると、この狭い部分に「上へ」と記入しようとしたものの無理なので
横書き[上へ]としたのではないでしょうか。なお「上へ」は一行一文字なので右から左へ読みます。
[下ゟ]、拡大すると、「ゟ」のように見えます。
「だんゝ」、変体仮名「多゛」ではなく、「だ」になっているのが新鮮。
「やふ春」、様子。
渋い襖の向こうに頭に赤いリボンなどつけちゃって、ニコニコ顔の娘さん、恥ずかしそうに体をよじっている感じ(ニジニジ感)が心憎い。隠れている左手の指先は畳の目を数えていそう。
襖の手前、あちらにいる娘がと左手で指ししめしている狐さんは濃紺羽織の正装。
P2P3見開き。
床の間上座で火箸に両手をのせくつろぎの様子の旦那さん狐、朗らかな笑顔です。
この火鉢は木製のようです。
炭が赤くなっているのも描かれています。
お金持ちのお座敷です。
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