2020年4月15日水曜日

豆本 文福茶釜全 その12




 P.10

(読み)
[つゝき]

可のち 可゛満
かのちゃが ま

をもりんじ尓
をもりんじに

もち由起ぢ うし尓
もちゆきじゅうじに

めんく王いし☓
めんかい し

☓可く
 かく

ゝ の
かくの

志多い尓て大 志あ
しだいにておおしあ

ハせい多し
わせいたし


(大意)
その茶釜を茂林寺に持ってゆきました。
和尚さんに面会して
「このような次第で大変に幸せになりましたので


(補足)
 うーん、この頁は読みづらく、やや難しい。
「もりんじ」「もち由起」、この「も」は両方とも同じ形です。
「ぢうし」(住寺)(じゅうじ)。お寺の和尚さん。「う」が悩みます。

 以前の投稿で「め」の左下が版木で薄れて読みづらくなってるとしましたが、そうではなさそうです。ここの「め」もまったく同じようになってるからです。ここの変体仮名は「女」ですから、二画目から三画目で筆が流れなければつながりませんので、ここのような形の「め」になるんですね。

「めんく王い」、(めんくわい)。面会。

「志あハせ」、ふっと「志あ王せ」じゃないかとおもってしまうんですが・・・


 香具師さん大金儲け大幸せ、濃紺の羽織はおって髷もきりりと立派です。大店のご主人の趣。
高価そうな飾り柱の床の間の右側には「両」と書かれた千両箱が山と積まれています。


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