2020年4月20日月曜日

豆本 きつねの嫁入 その2




 P.1

(読み)
こゝ尓
ここに

ミめ
みめ




りの
りの

志りを
しりを

たまゑもんといふもの
たまえもんというもの

あり そのせ可゛れに
あり そのせが れに

志ろたろふといふ
しろたろうという

もの阿り こゝに本と
ものあり ここにほど

とふからぬ水 じん
とうからぬすいじん

かもり尓な多゛可き
がもりになだ かき



(大意)
ここ三囲(みめぐり)に尻尾玉右衛門(しりおたまえもん)
という者がおりました。
その倅(せがれ)に白太郎というものがおりました。
ここから程遠くない水神が森に名高い



(補足)
「ミめぐりの」と読めてもサッパリ?
辞書で調べると「三囲神社」が東京都墨田区向島にあることがわかりました。
ネットでさらに調べると、神社のいわれのなかに、「白狐がどこからともなくあらわれ3回回って死んだ」とあり、神社名の由来となったとあります。
ようするに、三囲神社付近に住んでいるところにということ。

 話が始まったばかりのなので、話にでてくる尻尾玉右衛門と白太郎が左下の人なのかどうなのかわかりません。

右上はお嬢さんにお供の女中さんでしょうが、左下の床几に腰掛け右の下駄をぬいでくつろぎ
お嬢さんに見とれているのが白太郎でしょうか。

 扇に和傘はやはり装飾品としては不可欠なようです。


「たまゑもん」、「た」が変体仮名になってません。
「阿り」、「あ」の変体仮名「阿」。

「本と」の次に「へ」のような記号?がありますが、これはなんでしょうか。

「本ととふからぬ」の「ふ」は「う」ですが、「しろたろふ」でも「ふ」が「う」です。旧仮名遣いではこうでしたっけ?

「水神可もり」、この「可」は読めません。



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