2020年4月10日金曜日

豆本 文福茶釜全 その7




 P.5

(読み)
のころ
のころ

まくら
まくら

もと尓
もとに

奈尓可
なにか

もの
もの

おと
おと

し个る
しける

ゆへ
ゆえ

いづやハ
くづやは

めを
めを

さまし
さまし

ミまハ
みまわ

せバ[次へ]
せば


(大意)
の頃、枕元に何か物音がしたので
屑屋は目を覚まし見回したところ


(補足)
版木の文字はかすれもなく、変形しているところもなく読みやすい。

座敷にいる和尚さんはP1の驚いてひっくり返っている和尚さんと着物の柄が同じなので、きっと同一人物です。
その隣の和尚さん?、どことなく浮世絵美人画の一人の趣。
尼さんなのでしょうか?
帯の結びも気になります。

 もともと作画者の村井静馬は浮世絵師歌川房種です。



 こんな錦絵を描いている人ですから、豆本などチョチョイのチョイですが、手を抜いているとは感じられません。

P4, P5見開き。



 座敷の上がりのところの板壁の下端が二重線になってます。
また座敷の奥の板壁の下端も二重線で描かれています。
絵全体の視点がやや上からですから、たったこれだけで奥行きと立体感がでています。




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