2020年4月19日日曜日

豆本 きつねの嫁入 その1




 表紙

(読み)
きつね能嫁 入
きつねのよめいり


(大意)
きつねの嫁入り


(補足)
 明治18年4月30日。作画者は堤吉兵衛編集、版元も同じ。定価1銭。
同名の「きつねの嫁入り」は前回の村井静馬版もあるのですが、それは後日。

表紙は錦絵摺り付け。
きつねの嫁入りとはあまり関係ない扇を持った男女の構図です。
背景は木の枝ぶりが梅のようなので、上部の丸いものは梅の花でしょうか。
さらにその背景には白線格子模様。
余白がありません。

見返しはなく、「東京図書館蔵」のでかい角印があるのみ。


 いやぁ〜、申し分のない錦絵であります。
男の濃紫の羽織、右袖からは裏生地の赤がのぞいています。紐の色は女の着物と同色。
着物が紺縦縞で、摺るときに上下で濃淡をつけたのか、かすれた具合がこれまたよい。

 豆本レベルでこのできなのですから、当時の画工・作画者の腕、恐るべしであります。

「きつね能」、「の」の変体仮名は「乃」「能」があります。

 毎回のことですが、こんなところにラベルを貼った係員は首です。

表紙と色見本定規。




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