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(読み)
さつそくきんじよの
さっそくきんじょの
やし尓そのちや可゛満を
やしにそのちゃが まを
うり者らひし可゛
うりはらいしが
やしハそのちや
やしはそのちゃ
可゛満をミせもの
が まをみせもの
尓い多゛しつ奈
にいだ しつな
王多り可る王さ
わたりかるわざ
さ満ゝ のけい
さまざまのげい
とうを奈し个る
とうをなしける
ゆへとうけいぢ う
ゆえときょうじゅう
の大 ひよう者ん
のだいひょうばん
と奈りまい日
となりまいにち
ゝ [次へ]
まいにち
(大意)
早速(さっそく)、近所の香具師(やし)にその茶釜を
売り払ってしまいました。
香具師はその茶釜を見世物に出し、綱渡りや軽業など様々の芸当をするので
東京中の大評判となり、毎日毎日、
(補足)
こんなに楽しい茶釜なら、茶の湯はせずとも、家にほしい。
しっぽフリフリ、なんか酔っ払っているような、あっいやさぁ〜こらさっと聞こえてきそう。
手で頭の蓋をとり、カチャカチャならし賑やかそう。
尻尾ですが、拡大してみるとフサフサ感がでるようにか、細かく描いています。
左の大きな籠の底は網目に編んでなく、頑丈にするためにグルグル巻いてこしらえてあるところが心憎い。
「きんじよ」、「じ」が「ト」に見えます。「よ」は変体仮名「与」。
「やし」、版木なのですが「や」の筆の運びが「ゆ」と同じような感じに見えてしまうので「ゆ」とまちがえそうです。「や」は「也」、「ゆ」は「由」。
4行目「ちや」の「ち」が「ら」にみえます。その2行右の「ち」と比べても・・・
「可る王さ」、「可る」がややわかりにくいか。
「けいとう」(芸当)、「とうけいぢう」(東京中)、「大ひよう者ん」(大評判)。
P6P7見開き。
行灯の明かりのところは渋黄色になっていて、ゆらめく灯りの感じがよいです。
また、布団の左端だけが左の絵にほんの少しだけ描かれていますが、細かい芸当です。
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