P.6
(読み)
さんゝ
さんさん
くど尓
くどに
さ可つき
さかつき
ことも
ことも
すミ
すみ
なこふ
なこう
どハよひの
どはよいの
うちと者や
うちとはや
おひらきと
おひらきと
なり尓个る
なりにける
(大意)
三三九度に盃事も済み、
仲人は宵の内にと早くも
お開きとなりました。
(補足)
まさにきつねの嫁入り、
質素ながらも青畳のような蓬色の品のある籠にお供の者たちのなんと幸せそうな顔かおカオ・・・
天気雨や、晴れの中にさぁ〜っと通りすぎるような雨を「きつねの嫁入り」と呼びますが、この雨の描き方もいいですねぇ。
浮世絵には雨の情景を描いた名作がたくさんありますが、この豆本の雨もいけてます。
雨を描くなんて、その表現描写に恐れ入ります。
青と黒で降り落ちる軌跡を並行にしないところがミソかな。
ちょっと降りすぎているような気がしないでもないけど。
前頁の終わりの文章は「さんゝ」でしたが、この頁ではその「さんゝ」をもう一度繰り返しています。慶事の婚姻なので「さんゝ」と「九度」を離してしまっては、縁起でもないので再度繰り返しているのでしょう。
「くど尓」、「と」と「尓」がつながっています。
「ことも」、この「こと」は合字になっていて、これで一文字扱い。
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