2020年4月9日木曜日

豆本 文福茶釜全 その6




 P.4

(読み)
[つゝ起]
 つづき

でしをよび
でしをよび

ミせ个連バでしも
みせければでしも

ぎう てん奈しこ連ハ
ぎょうてんなしこれは

うり者らふより本可
うりはらうよりほか

奈しおでいりのくづ
なしおでいりのくづ

やをよび一 貫 文 尓て
やをよびいっかんもんにて

うり王多し个る
うりわたしける

そ連よりくづ
それよりくづ

やハうちへもどり
やはうちへもどり

や春ミ个ると
やすみけると

よ奈可
よなか



(大意)
続き
弟子を呼び見せたところ、弟子もビックリ仰天してしまいました。
これは売り払うよりほかなしと、お出入りの屑屋(くずや)を呼び寄せ
(和尚は)一貫文で売り渡してしまいました。
それから、屑屋は家に戻り休んでいると夜中


(補足)
 屑屋さんの左手に持っているのは、棒秤(ぼうばかり)です。
わたしが子どもの頃はごく普通に使われていました。
電池もバネも不要で、いくつかの分銅と棒竿があればよく、壊れる心配はありません。
現在でも最強の秤(はかり)です。

 茶釜は鉄製なので量り売りなのでしょうか、「一貫文尓てうり王多し个る」とあります。
「メ」は「貫」のくずし字、「攵」は「文」のくずし字、だとおもいます。

 左の竹籠(たけかご)の具合も細かく描いています。

「つゝ起」がなぜか急に変体仮名「起」が使われています。

「个連バ」「こ連ハ」「そ連より」、最初の「連」がわかりずらい。

「うちへもどり」、この「う」一文字だけだったら読むのに悩みます。


0 件のコメント:

コメントを投稿