P.96 最初〜7行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
雄 三 郎 様 御出 役 被遊 、為
ゆうざぶろうさまごしゅつやくあそばされ、
国恩 之 持 分 之内 二而空 地場所 へ
こくおんのためもちぶんのうちにてあきちばしょへ
杉 檜 五千 本 宛々両 人 二而一 万 本
すぎひのきごせんぼんずつりょうにんにていちまんぼん
植 立 献 納 可致 様 被 仰付 候 、
うえたてけんのういたすべくようおおせつけられそうろう、
其 砌 両 人 御免 願 少株二
そのみぎりりょうにんごめんねがい???
御座候ハヽ 、持 分 之内 空 地之場所 無 之
ござそうらわば、もちぶんのうちあきちのばしょこれなく
様 奉申上 候 、
さまもうしあげたてまつりそうろう、
(大意)
雄三郎様が村にやって来られたとき、
国のために持ち分の空き地の場所へ
杉檜五千本ずつ両人で一万本
植林し献納するよう命じられたました。
そのときに両人は免除してくれるよう願い、資産も少ないことで
御座いますし、持ち分のうちに空き地の場所もありません
と申し上げたました。」
(補足)
「遊」、このくずし字を読むのは困難。「辶」のついた字をくずしの
ほとんどは右側部分が平仮名「を」のような形になる。
行末に「為」がきて、改行して行頭から「国恩之」となってます。下から返って(こくおんのため)と読むのでしょうが、書くときに間違えないのかといつも思ってしまいます。
「空地」、が3回出てきます。「空」のくずし字は指でなぞってもわかりにくい。
「五千本」、「五」は特徴的で間違えやすいので逆に読むことができるが「千」のほうがわかりづらい。
「宛々」、(ずつ)としましたが、辞書にもありません。
「一万本」、「一」も「万」も「壱」でも「萬」でもありません。
「少株」、(すくないかぶ)なのですが、振り仮名をふるならなんとしましょう。意味はまぁなんとなくわかります。
「持」と「場」が何度か出てきます。くずし字でもちゃんと「扌」と「土」の区別がわかります。
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