2019年5月2日木曜日

変事出来二付心得覚記 その168




 P.84 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
之者 一 同 願  上 候   、然 ル上 者、昼  夜
のものいちどうねがいあげそうろう、しかるうえは、ちゅうや

附 添 番 致  、当 人 共 異変 之義
つきそいばんいたし、とうにんどもいへんのぎ

無之  様 急 度為相慎     可申   候   、万 一
これなくようきっとあいつつしみさせもうしべくそうろう、まんいち

番 等 不情  二以多し異変 之
ばんとうなさけずにいたしいへんの

儀出来候ハヽ  、各 々 方 少  茂御苦
ぎできそうらわば、おのおのがたすこしもごく

難 相 掛ケ申  間敷 候   、為後證之
なんあいかけもうしまじくそうろう、ごしょうのため

両  人  薬用 中  預  り一 札 、依而如件
りょうにんやくようちゅうあずかりいっさつ、よってくだんのごとし

上 名栗 村
かみなぐりむら

 新 組 紋 次郎
 しんぐみもんじろう

慶應  二寅 七 月 三 日 親 類 久  太郎
けいおうにとらしちがつみっか しんるいきゅうたろう

               組 合  弥太郎
               くみあい やたろう


(大意)
の者全員のお願いでございます。お認めいただければ昼夜
付き添い看病し、当人たちは何事もなく静かに過ごすよう
きつく言い含めます。万が一
見張りなどが思いもかけずに行き届かず、異変が
おこってしまいましたならば、皆様には決してご迷惑は
お掛け致しません。後々の証拠のために
両人治療中預かりの証文と致します。依而如件。

上名栗村
 新組 紋次郎
慶應二寅七月三日 親類 久太郎
         組合 弥太郎


(補足)
「然ル上者」、決まり文句です。「然」、下の「灬」が見当たりませんが、「尤」の右下の部分かもしれません。
「昼夜」、「昼」の「日」と「一」が中には入らず、「夜」の「亠」は「亻」と一つになって偏になってます。
「附添番致」、ゆっくり一文字ずつながめると、読めてきます。

「不情ニ」、(なさけずに)としましが(ふじょうに)でしょうか、よくわかりません。
意味としては「なさけないことになってしまったら」のような感じでしょう。

「苦」、これだけだと?ですが次の行の「難」があるので、「苦難」と予想できます。
「後證」、現在では後証。「證」の「登」のくずし字は特徴的。

「依而如件」、決まり文句。


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