P.84 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
之者 一 同 願 上 候 、然 ル上 者、昼 夜
のものいちどうねがいあげそうろう、しかるうえは、ちゅうや
附 添 番 致 、当 人 共 異変 之義
つきそいばんいたし、とうにんどもいへんのぎ
無之 様 急 度為相慎 可申 候 、万 一
これなくようきっとあいつつしみさせもうしべくそうろう、まんいち
番 等 不情 二以多し異変 之
ばんとうなさけずにいたしいへんの
儀出来候ハヽ 、各 々 方 少 茂御苦
ぎできそうらわば、おのおのがたすこしもごく
難 相 掛ケ申 間敷 候 、為後證之
なんあいかけもうしまじくそうろう、ごしょうのため
両 人 薬用 中 預 り一 札 、依而如件
りょうにんやくようちゅうあずかりいっさつ、よってくだんのごとし
上 名栗 村
かみなぐりむら
新 組 紋 次郎
しんぐみもんじろう
慶應 二寅 七 月 三 日 親 類 久 太郎
けいおうにとらしちがつみっか しんるいきゅうたろう
組 合 弥太郎
くみあい やたろう
(大意)
の者全員のお願いでございます。お認めいただければ昼夜
付き添い看病し、当人たちは何事もなく静かに過ごすよう
きつく言い含めます。万が一
見張りなどが思いもかけずに行き届かず、異変が
おこってしまいましたならば、皆様には決してご迷惑は
お掛け致しません。後々の証拠のために
両人治療中預かりの証文と致します。依而如件。
上名栗村
新組 紋次郎
慶應二寅七月三日 親類 久太郎
組合 弥太郎
(補足)
「然ル上者」、決まり文句です。「然」、下の「灬」が見当たりませんが、「尤」の右下の部分かもしれません。
「昼夜」、「昼」の「日」と「一」が中には入らず、「夜」の「亠」は「亻」と一つになって偏になってます。
「附添番致」、ゆっくり一文字ずつながめると、読めてきます。
「不情ニ」、(なさけずに)としましが(ふじょうに)でしょうか、よくわかりません。
意味としては「なさけないことになってしまったら」のような感じでしょう。
「苦」、これだけだと?ですが次の行の「難」があるので、「苦難」と予想できます。
「後證」、現在では後証。「證」の「登」のくずし字は特徴的。
「依而如件」、決まり文句。
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