P.95 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
代 八 殿 ・軍 蔵 殿 申 様 、檜 山 之儀
だいはちどの・ぐんぞうどのもうすさま、ひのきやまのぎ
如何 被成 候 哉、貴殿 方 之心 持 二随 イ
いかがなされそうろうや、きでんがたのこころもちにしたがい
取 計 遍゛くと存 候 、源 左衛門 申 様 、
とりはからいべ くとぞんじそうろう、げんざえもんもうすさま、
伴 次郎 左ん如何 と申 候得 ども
はんじろうさんいかかがともうしそうらえども
一 切 相 談 無之 二付 、源 左衛門 申 様 、
いっさいそうだんこれなくにつき、げんざえもんもうすさま、
(大意)
(柏屋)代八殿と(町田)軍蔵殿が言うには「檜山(伐採)の件は
どうされるおつもりなのか。貴殿の気持ちに従って
とりはかろうとおもっている。」源左衛門が答えて
「(吉田)伴次郎さん(小殿)にどうするのかと聞いたのだが
一切相談することはなかった。」(続けて)源左衛門が言うには
(補足)
このあたりの手跡や字の大きさなど書きはじめの頃のものとは大きく異なってきてしまっています。何度も繰り返し述べてきていますが、この覚記の書き手は数人よりももう少し多いような気がします。
「被成」(なされ)、「被」のくずし字は「ヒ」。
「貴殿」、二文字セットで覚えます。ここの「貴」のくずし字はカタカナの「キ」のような感じ。
「心持」、「心得」などで頻出です。「心」のくずし字は、最初の二画までが一つながりで偏、
あとの二画はまとめて「、」。
「随」(したがう)。「阝」以外は平仮名「を」のようなくずし字。
「伴次郎左ん」、「左」のくずし字、この形ははじめて。辞書で調べると確かにあります。
古文書に「さん」がでてくるとくだけた感じがしてニコリとしてしまいます。
「相談」ですがこのくずし方だと「相模」に見えてしまいます。
「源左衛門申様」、二度続けて出てきてます。二度めはいらないとおもうのですが。
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