2019年1月1日火曜日

変事出来二付心得覚記 その47




 P.15 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
我 等村 方 ハ困 窮  之多 し、
われらむらかたはこんきゅうのおおし、

日々飯 能 二而当 地売 買 無之  候ハヽ
ひびはんのうにてとうちうりかいこれなくそうらわば

貯   無之  候   間  難 渋  仕    候   、此 度 之
たくわえこれなくそうろうあいだなんじゅうつかまつりそうろう、このたびの

一 条  元 村 だ可ら御難 渋  申  と云
いちじょうもとむらだからごなんじゅうもうすといい

訳 合 二而者無之、
わけあいにてはこれなく


(大意)
わたしたちの(下名栗)村は貧乏人が多く、
毎日飯能での村の商売の売り買いはなかったので
蓄えががなくて困りきっておりました。今回の
騒動の原因がこの村からだから、(皆様に)ご迷惑をかけていることで
言い訳をするつもりはございません。


(補足)
 新立様は町田瀧之助ですから、その家に集まり会議をしてます。
誰が誰に話しかけ、その言葉はどこからどこまでなのか、また源左衛門がそれらの意見を聞いた感想を述べているところなのかなど、難しい箇所が多いところが続きます。

 なんとなく辻褄が合うように大意を書きましたが、わたしの得意なフィクションになっているかもしれません。

「我等」、何度か出てきているのですぐに読めます。
「困窮」、画数の多い文字が含まれていると、比較的丁寧に書く傾向があるように感じます。

「当地」、あとから追加して記しています。下名栗村のこと。
「候ハヽ」(そうらわば)、「ハヽ」が1文字に見えるが候の後なので「候ハヽ」となる。

「一条元村」、けっこう悩みました。ふりがなも大意も間違えているかもしれません。
「一条」、ある事柄の成り行き。一件。一事。
「御難渋」、「難」は特徴のあるくずし字なので読める。「渋」が?だが「難」
に続く可能性のある漢字はと推測します。

「一条元村」から「云訳合二而者無之」がよくわかりません。
平沼源左衛門が他の役人たちに述べている箇所であることは確かそうなので、
このような大意にしてみました。



0 件のコメント:

コメントを投稿