P.24 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
返 ス、此 振 合 二而者上 名栗 村 分
かえす、このふりあいにてはかみなぐりむらぶん
弐万 両 余 と申 事 二付 、私 し義者
にまんりょうあまりともうすことにつき、わたくしぎは
あき連帝酒 ぐらへ入 、多葉粉
あきれてさかぐらへはいり、たばこ
呑 居 候 所 へ松 太郎 参 り申 様 、
のみおりそうろうところへまつたろうまいりもうすさま、
大 勢 見込 二者弐万 三 千 両 余 と申 事
たいせいみこみにはにまんさんぜんりょうあまりともうすこと
一 金 五千 両 源 左衛門
ひとつ きんごせんりょう げんざえもん
一 金 四 千 両 滝 之助
ひとつ きんよんせんりょう たきのすけ
一 金 四 千 両 伴 次郎
ひとつ きんよんせんりょう はんじろう
(大意)
返却、この割合で考えれば上名栗村の分は
およそ二万両ということになるから、わたくしなどは
あきれて酒蔵へ入り、タバコを
吸っていたところ、松太郎がやって来てこんなことを言った。
大体のところは見込みで二万三千両あまりになります。
一 金五千両 源左衛門
一 金四千両 滝之助
一 金四千両 伴次郎
(補足)
最初の二行に出てくる「者」(は)のくずし字の形が今までとは異なっています。
「私し義」、「儀」を使ってません。
「あき連帝」(あきれて)、変体仮名。
「多葉粉」、こんなあて字ははじめて見ました。「粉」の旁が「分」のくずし字にちゃんとなってます。
「大勢」(たいせい)としましたが、?。意味は「現状では、現在の情勢では」でしょう。
「両」、楷書のような字体とくずし字が混在しています。
「五」は特徴的で、これが読むことができるとなんか自信がつきます。
「伴次郎」の「半」、「手」と同じ書き順です。「|」を書いてから上に戻ってのこり二本の横棒を書いてます。
0 件のコメント:
コメントを投稿