2019年1月23日水曜日

変事出来二付心得覚記 その69




 P.23 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
下 名栗 ゟ 人 が参 り、浅 海 戸
しもなぐりよりひとがまいり、あさかいど

之儀者取 極 り金 弐千 両  外 二
のぎはとりきまりきんにせんりょうほかに

外 二時 かし分 帳  消 、質 物 者不残
ほかにときかしぶんちょうけし、しちものはのこらず

置 主 江可返   、小作 金 是 迄 之分
おきぬしへかえすべく、こさくきんこれまでのぶん

拂  那し、
はらいなし、


(大意)
下名栗より人がやってきて、浅海戸
のほうは決まったよ。金2千両の他に
当座の貸しは帳消し、質者は残らず
持ち主へ返す、小作金(地主からの土地の借り賃)のこれまでの分は
払わなくてよい。


(補足)
浅海戸、下名栗の加藤家。

「時かし分」、「時」と「分」は読めるが、「かし」が悩む。
「質」、何度か続けて出てきているので大丈夫です。
「不残」、「不」はほとんど「ふ」、「残」も頻出、特徴があるくずし字。

「置」、「直」のくずし字をしっかり覚えておけば読めます。

「小作」、「作」の「乍」が特徴的。「乍恐」(おそれながら)の定番で頻出です。

「拂那し」、「那」(な)、変体仮名。これ一文字だと読めません。前後から判断。


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