2019年1月4日金曜日

変事出来二付心得覚記 その50




 P.16 最初〜6行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
村 役 人 一 同 寺院 方 迄 罷  出
むらやくにんいちどうじいんがたまでまかりで

差 留 候  得共 、大 勢 之事 故 に
さしとめそうらえども、おおぜいのことゆへに

承  知も不致  、我 野江も王かり
しょうちもいたさず、あがのへもわかり

我 野谷ツも下 り候  ハヽ、所諭
あがのやつもくだりそうらわば、いわゆる

此 度 之事 ハ私  共 計 りと申  事 二
このたびのことはわたしどもばかりともうすことに

不相成  と申
あいならずともうす


(大意)
村役人たち全員で寺まで出向き
押し止めようとはしましたが、大勢であったために
説得も聞き入れられませんでした。吾野でも(騒動が起こっていることが)わかり
吾野谷戸でも騒ぎがおきているので、いわゆる
今回の騒動はわたしらの村だけでおこったと言うことは
できないと申しました。


(補足)
「我野江も王かり我野谷ツも下り候ハヽ」、これとほとんど同じ言い回しがP.6に出てきてます。
村役人たちが一揆衆の集合場所に出かけ、説得に失敗して、一揆衆が村役人衆を振り切る場面です。
そこの場面の大意は前後の関係からわからないながらも、あてはまりそうな表現でまとめました。

 しかし、ここの同じような表現が、どうもよく理解できません。なので大意を間違えているかもしれません。
わからないときは、前後の段落を読み込むしかありませんが、この後の段落もよくわからないときては、得意のフィクションでお話を作るしかありません。情けないことです。うーん・・・。

わからないまま続けます。

文章の文字は明瞭でとてもきれいで読みやすい。

「事故」(ことゆえ)、「故」の旁が下部分にきてます。

「不致」、2文字セットで覚える。「致」の「攵」と「故」の「攵」は同じ字だが、くずし字は似ても似つきません。
「我野」と次行の「我」、同じ地名なのにずいぶんと違う。
「谷ツ」、「谷」のくずし字が意外とわかりにくく難しい。
「所論」(しょろん)と記されていますが「所謂」(いわゆる)の書き間違いでしょうか。意味はどちらにしても通じるとおもいます。

どうもこの頁は理解できないところが多いです。


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