P.16 最初〜6行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」
(読み)
村 役 人 一 同 寺院 方 迄 罷 出
むらやくにんいちどうじいんがたまでまかりで
差 留 候 得共 、大 勢 之事 故 に
さしとめそうらえども、おおぜいのことゆへに
承 知も不致 、我 野江も王かり
しょうちもいたさず、あがのへもわかり
我 野谷ツも下 り候 ハヽ、所諭
あがのやつもくだりそうらわば、いわゆる
此 度 之事 ハ私 共 計 りと申 事 二
このたびのことはわたしどもばかりともうすことに
不相成 と申
あいならずともうす
(大意)
村役人たち全員で寺まで出向き
押し止めようとはしましたが、大勢であったために
説得も聞き入れられませんでした。吾野でも(騒動が起こっていることが)わかり
吾野谷戸でも騒ぎがおきているので、いわゆる
今回の騒動はわたしらの村だけでおこったと言うことは
できないと申しました。
(補足)
「我野江も王かり我野谷ツも下り候ハヽ」、これとほとんど同じ言い回しがP.6に出てきてます。
村役人たちが一揆衆の集合場所に出かけ、説得に失敗して、一揆衆が村役人衆を振り切る場面です。
そこの場面の大意は前後の関係からわからないながらも、あてはまりそうな表現でまとめました。
しかし、ここの同じような表現が、どうもよく理解できません。なので大意を間違えているかもしれません。
わからないときは、前後の段落を読み込むしかありませんが、この後の段落もよくわからないときては、得意のフィクションでお話を作るしかありません。情けないことです。うーん・・・。
わからないまま続けます。
文章の文字は明瞭でとてもきれいで読みやすい。
「事故」(ことゆえ)、「故」の旁が下部分にきてます。
「不致」、2文字セットで覚える。「致」の「攵」と「故」の「攵」は同じ字だが、くずし字は似ても似つきません。
「我野」と次行の「我」、同じ地名なのにずいぶんと違う。
「谷ツ」、「谷」のくずし字が意外とわかりにくく難しい。
「所論」(しょろん)と記されていますが「所謂」(いわゆる)の書き間違いでしょうか。意味はどちらにしても通じるとおもいます。
どうもこの頁は理解できないところが多いです。
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