P.15 5〜9行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
猶 又 農 間之
なおまたのうまの
暇 二筏 之少 々 宛 も仕 候 得ども、
ひまにいかだのしょうしょうあてもつかまつりそうらえども
平 日 二而も六 ケ敷 川 筋 、此 度 之
へいじつにてもむつかしきかわすじ、このたびの
乱 二取 掛 候ハヽ 、猶 亦 通 行 も六 ケ敷
らんにとりかかりそうらわば、なおまたつうこうもむつかしき
推 察 仕 候 、
すいさつつかまつりそうろう、
(大意)
また、農作業の間の
あいた時間に筏からの収入も少々あてにはしてましたが、
普段より(筏を操るには)難しい川の流れで、今回の
ような騒乱になってしまっては、今まで以上に川を下ることが難しいと
推察致します。
(補足)
下名栗村の窮状を切々と述べています。
「猶又」、頻出です。2文字セットで覚えます。
「農間」、「農」はほとんど楷書。「間」は頻繁に使われるので読めます。
「暇」、読めません。形で覚えます。
「筏」、「竹」冠がやはり「伐」から浮いています。
「少々」、読めるはずなのですが、えぇーっとと考えてしまう。
「候得ども」、「ども」がひらがなです。たいていは「共」。
「六ケ敷」(むつかしく)、あて字。類例として「ある間敷(あるまじく)」、「委敷(くわしく)」
「宜敷(よろしく)」、「嘆敷(なげかわしく)」など。
「川筋」、「筋」の「竹」冠が先の「筏」と同じで浮いています。
「取掛」、このあたりがスラスラ読めれば、楽勝なんだろうなとおもいます。
「猶亦」(なおまた)、先程は「又」でした。「猶」はほとんど同じです。
「通行」、「行」のくずし字はこんな形と知ってはいても難しい。
「六ケ敷」、また出てきました。「敷」のくずし字は原型をとどめていません。偏旁より冠脚の上下に部品が分かれてしまった感じです。
「推察」、「察」がちゃんと「宀」+「祭」になっているようには見えますが。
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