P.15 9行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
滝 之助 殿 ・太次郎 殿
たきのすけどの・たじろうどの
申 様 、被仰 候 通 り是 ゟ 壱 里半 も
もうすさま、おおせそうろうとおりこれよりいちりはんも
奥 、御案 内 二も可有之 慥 之村 役 人 と
おく、ごあんないにもこれあるべきたしかのむらやくにんと
申 者 も無之 、百 姓 代 ・組 番 二而御用 先
もうすものもこれなく、ひゃくしょうだい・くみばんにてごようさき
者 事 為相勤 候 処 、正 覚 寺旦 中
ものごとあいつめさせそうろうところ、しょうかくじだんちゅう
凡 百 軒 二不足 村 二而起 り候 始末 、
およそひゃっけんにたらずむらにておこりそうろうしまつ、
(大意)
滝之助殿、太次郎殿が言われるには、
(源左衛門さん)が仰る通り、(下名栗村は)ここから1里半も
奥で、案内ができるような信頼できる村役人もおりません。
百姓代や組番で、役所の諸仕事をさせているような状況でした。
そのような中、正覚寺の檀家衆、
およそ百軒もない村で起こった出来事に
(補足)
「被仰候通り」、「被」は「候」と同じように頻繁に使われるので、くずされ方が激しい。小さな「ら」の感じです。「仰」は「卩」が右側ではなく下部にくる。ここの「通」の「辶」が次の「り」につながって間違えそう。
「壱里半も」、「里」が「厘」のように見える。書き間違いか?
「奥」、このくずし字は他の古文書のときに散々出てきたので間違えません。
「慥か」(たしか)。
「凡百軒」、すべて頻出の漢字。
「不足」、ここの「不」は少し今までとはちがう感じのくずし字。
「起」=「走」+「己」、くずし字は原型をとどめています。
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