P.17 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
御沙汰二有之 候 ハヽ、私 し村 方 迄 も
ごさたにこれありそうらわば、わたしむらかたまでも
御沙汰二被下 者 役 に多らず共、
ごさたにくだされものやくにたらずとも
御差 留 可申 、さし畄 らんとも
おさしとめもうすべく、さしとどまらんとも
村 方 之者 ハ出し不申 候 、此 儀如何 と
むらかたのものはだしもうさずそうろう、このぎいかがと
滝 之助 殿 江申 掛 候
りゅうのすけどのへもうしかけそうろう
(大意)
おさばきがあるのならば、わたしの村でも
おさばきを下される者がいることでしょう。しかし
(村民から探し出して)捕まえよとは言いますが、(首謀者が)わかったとしても
村民は(かばいあって)、(その者を)出すことはしないでしょう。この件についてはどうでしょうかと、龍之介殿へ話しかけました。
(補足)
この頁は2箇所で行の途中で文章を終わらせています。これ以前ではどの頁でも行末までびっしり書き、無理やり一行に収めようと字を小さくしたり行間にすべりこませたりしていました。この頁でも行末で小さい字で押し込めている箇所があるのにです。
どういう心境の変化なのでしょう。
さて、この段落でもわかるところを拠点に想像力を働かせて大意としました。読み誤っている可能性大であります。
「私し」、一人称の「私」はでてきそうで意外と使われません。珍しい。
「御沙汰二被下者役に多らず共」、わかりません。降参です。
「さし畄らんとも」、『終止形・連体形の「らむ」は「らん」と発音されるようになり、「らん」とも書かれる。推量の助動詞』。「畄」は「留」の俗字。この行の上にも「御差留」と漢字だがこの部分はひらがな。
「此儀」はわかりやすい。
「如何」、「如」が極端につぶれてわかりにく。2文字セット形で覚える。
「申掛候」、「掛」がわかりそうで読めませんでした。
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