P.16 6〜9行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
尤 我 野へも通 達 之人
もっともあがのへもつうたつのひと
遣 し、村 役 人 も御頼 置 隠 連
つかわし、むらやくにんもおたよりおきかくれ
罷 通 り候 哉、左様 之者 一 向 二
まかりとおりそうろうや、さようのものいっこうに
通 り不申 趣 、使 もの申 口 御座候
とおりもうさずおもむき、つかいものもうすくちござそうろう
(大意)
もっとも、吾野へも(お役所からの)通達をもたせて
連絡しているし、吾野の村役人にも頼んでいて、(首謀者が)隠れて
村を通ったというようなことがあるだろうか。そのような者はまったく
通っていないようであると、使いのものは申しておりました。
(補足)
またフィクションをやっちまったかもしれません。
この場面は、打ち壊しなどの騒乱がまったく収拾したわけではありませんが、役人衆が膝を突き合わせての相談をする余裕ができたところです。下名栗村が発火点となり近在の村々へ広がっていったことは確かなことです。それぞれの村の村役人たちは今後のことをお役所へ報告するにあたって誰がどのようなことをして首謀者はと村民を尋問しました。この頁に記されている文面の同時進行で進んでいる裏の状況がわからないと、正確に大意をつかめません。
「尤」(もっとも)、頻出です。
「通達」、ほとんど楷書で、小学生でも100%大丈夫。
「遣し」(つかわし)、漢字の一部分「中」が名残で、あとは「辶」の「と」がある。
「御頼」、この4行後文頭にも出てきます。形で覚えるしかなさそう。
「置」、「直」の部分がこのようなくずし字になり特徴的。
「隠連」(かくれ)。
「罷通り」、「罷」はわかりやすいくずし字なので読める。「通り」が次の行頭にあり並んでいる。
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