P.19 4〜8行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
一 浅 海 戸倉 之助 儀者、質 物 者
ひとつ あさかいどくらのすけぎは、しちものは
札 ヲ切 く連遣 ス遍゛し、其 外
ふだをきりくれつかわすべ し、そのほか
村 方 へ米 六 拾 俵 、時 貸 之分 帳 消
むらかたへこめろくじゅっぴょう、ときがしのぶんちょうけし
いま多゛掛 合 中 二御座候 、夫 ゟ 下モ江
いまだ かけあいちゅうにござそうろう、それよりしもへ
段 々 右 之通 り致 、
だんだんみぎのとおりいたし、
(大意)
浅海戸の倉之助については、質物は
それらの質札は破り捨てて、その他
村へ米60俵を施し、当座の貸しは帳消しにし、
との内容でいまだ交渉中である。
同じような交渉が段々拡がっていった。
(補足)
「浅海戸」、鍛冶屋橋南1キロ弱付近。
「質物」、「質」の「斤斤」が難しい。
「連」(れ)、「遍゛」(べ)、変体仮名。
「六拾」、「拾」だけでは難しいが、漢数字のあとにくるので推測しやすい。
「分」、「彡」+「`」です。(「彡」はさんづくり)
ようやく村役人と一揆勢とで細かい内容を交渉(掛合)し始めました。
まず第一は生きていくための米、次に今後の生活で重く負担になる金銭的な借金など
どれも切実なものばかりです。
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