P.27 道具之圖 下段 8行目〜12行目まで
(読み)
竹 の簀、竹 を水 引 の如 く
たけのす、たけをみずびきのごとく
能 々 けづり、馬 の尾を以
よくよくけづり、うまのををもって
図の古゛とくこしら由る也
づのご とくこしらゆるなり
但 し右 の道 具弐具
ただしみぎのどうぐにぐ
用 意あるべし
よういあるべし
(大意)
竹の簀は竹を水引きのように
よく削って細くし、馬の尾で編んで
図のようにこしらえる。
但し右の道具(漉き桁と簀)は二組
必ず用意すること。
(補足)
「竹」のくずし字、左側が偏のように見えてしまう。
「能」、ジッと見ると「能」にみえてくるが、初心者の私はパッとみると悩む。
「図」のこのくずし字、フォントになかった。「口」+「労」のような感じ。
「道」、もうこれは形でおぼえるしかない。しかしおぼえてしまうと、
間違えることはなくなるくずし字です。
「具」、連続して出てきてます。最初のくずし字は、「る」の最後にニョロン、次のは楷書で問題なし。
「弐」、ここにあるくずし字は、わかりやすい。
漢数字の壱弐参四五六七八九拾でわかりにくい順(つまりこれがわかれば楽ちん)は
五、壱、拾、弐で、他はまぁ間違えることはあってもどうにかなります。
馬の毛が何度も出てきます。水に強く丈夫でした。
大正生まれの母も、わたしが子どもの頃、洗い張りをするときに、馬の毛で作った「>=<」の形状のもの(真ん中の=が紐でぐるぐる巻かれていてその部分を握る)を使ってました。
毎度、Reports on the manufacture of paper in Japanではどうなっているでしょうか。
図の説明です。
うーん・・・、毎回ですが、一体誰が描いたのか、興味津々です。
調べてみたい。
それになんでこんなひどい絵を採用したのか。
当時の日本ならこれ以上の絵師なんていくらでもいたはずです。
1871年英国で出版されているわけですが、このとき日本に来ていた英国人は鑑識眼もそれなりにあって、この絵の拙さはすぐに気づいたはずです。
なにもかも???だらけです。
しべぼうきと簀をほとんど同じタッチで描いている。これでは道具の説明になってません。
内輪と外輪も歪んでしまって・・・。
竹の棒の直径が1/4inchとありますから6.35mm。ずいぶんと細い。
「筆の軸のごとし」とありますが、こんなに細かったかな。
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